松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹の「勝負師の顔」が出た!
プレーオフを勝ち上がり自信復活。
posted2018/09/04 17:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
マサチューセッツ州のTPCボストンで開催されたプレーオフ第2戦、デル・テクノロジーズ選手権は、暑い暑い4日間だった。
その暑さの中で、先週に引き続き今週も、多彩な松山英樹を見たように思う。
興味深かったのは、松山が日々、何かを得ていたことだ。彼自身がそう認識していたかどうかはわからない。だが、彼が日々何かを得て、それを糧に日々前進していたこと、前進しようと努力していたことは確かだった。
初日は2つのバーディーを先行させながら後半にダブルボギーとボギーを喫して失速。イーブンパー71にとどまって42位発進となった松山は「ちぐはぐなラウンドだった」と苛立っていた。
ロストボールまであと15秒。
だが、2日目のラウンド後は少し笑顔が垣間見られた。2アンダー、69で回り34位に順位を上げて予選通過を果たしたことで、プレーオフ第3戦進出が濃厚になったという結果もさることながら、この日は胸を撫で下ろす出来事もあった。
6番あたりからパットの調子が悪化しつつあり、「もやもやが残って、それがティショットにも影響していた」という流れで迎えた14番。ティショットは大きく左に曲がり、深い茂みの中に飛び込んでロストボールの危機に瀕した。
ボール探しの規定は5分間。その残りわずか15秒というぎりぎりのところで幸運にも松山のボールがマーシャル(係員)によって発見された。
「最悪、トリプルとかそれ以上のスコアになるんじゃないかと思っていたけど、ボールがあってくれて良かった。ボギーで上がれて良かった」
続く15番こそバーディーチャンスを惜しくも逃したが、16番はピンそばにピタリと付けて楽々バーディー獲得。14番で奇跡的にボールが見つかったことは、いわば、この日の終盤の流れを好転させる転機になった。