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騎手22年目・秋山真一郎の忠実さ。
武豊の美しいフォームのように。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byPhotostud
posted2018/08/10 07:00
アイビスサマーダッシュでは鮮やかに勝利してみせた秋山真一郎。会心の騎乗に新潟競馬場が湧いた。
今年もベテラン健在の手綱捌き。
その後の彼はGI勝ちはないものの、コンスタントに活躍を続けている。一昨年は勝ち鞍こそ25とデビュー以来最低の数字になってしまったが、3月にはネオブラックダイヤの鞍上を任されてドバイへ遠征。ドバイゴールドC参戦を果たした。マスクゾロによるシリウスS(GIII)制覇もあった。
昨年は勝ち星を40に回復。タツゴウゲキとのコンビでは小倉記念(GIII)と新潟記念(GIII)を連勝してみせた。
そして今年も7番人気のキンショーユキヒメで福島牝馬S(GIII)を勝ち、アッと言わせたかと思うと、冒頭に記したダイメイプリンセスでは1番人気に応えてアイビスサマーダッシュ(GIII)を制覇。22年目となるベテラン健在という手綱捌きを披露した。
そんな秋山騎手を慕う後輩騎手は多い。彼らは一様に彼の人柄に惹かれ、騎乗フォームに酔わされると言う。
「武豊さんのフォーム、綺麗だな」
デビュー以来、一貫して守っている事。
「お尻をドシンと着くような跨り方をしない」
師匠の言葉は今もまだ弟子の心の中で生きている。だから「秋山さんの騎乗フォームは格好が良い」と口にする後輩が多いのだ。
「武豊さんのフォームを見て『綺麗だな』って憧れます。だから僕も少しでもそういうフォームで乗れるように、とは常に考えています」
騎乗スタイルに関してはどれが良いとか悪いとか算数のようなデジタルな答えはない。だからどんな姿勢だろうと批判できるものではない。ただ、秋山騎手には現在の美しいフォームで、これからも活躍を続けて欲しい。そう思うのだ。