バレーボールPRESSBACK NUMBER
バレー柳田将洋は強気で気負わず。
サッカー日本代表から学ぶ主将像。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2018/07/31 10:30
ロシアW杯で日本代表の主将を務めた長谷部誠の言動からは、多くのことを考えさせられたと話す。
4年ではなく一生に一度の大舞台。
サッカーにおいてはW杯、バレーボールにおいては五輪など、大舞台は4年に1度やってくる。だが、選手にとっては単に、4年に一度コンスタントにやってくる大会というだけではない。
「僕は今26歳で、28歳で東京五輪を迎えます。その次のパリ五輪が32歳で、ロサンゼルス五輪が36歳と考えたら、時間は有限だし、どんどん(引退の時期が)迫ってくるじゃないですか。僕らにとって五輪は単に4年に一度来るものではなくて、一生に1度のものだと思うんです。
つまり、“4年に一度”とはいっても、一生の間に常に4年に一度ずつというわけにいかない。ましてや日本代表までたどり着いて、4年に一度の大会にピークを合わせるとなると、一生に一度チャンスがあるかないかだと思います」
主将だからと気負いすぎずに。
だからこそ、W杯の日本代表の戦いに共感したのだ。
「ベスト16に進めるかもしれないという状況で、自分だったらそこでどう考えるのかなと思いました。僕は何が何でも突破したいと考えると思います。4年に一度のサイクルの中であるW杯だからこそ、いろんなことを考えながら見ていました。もちろん、自分がプレーする上でのいいモチベーションにもなりました」
4年という長い準備期間に対し、晴れ舞台はほんの一瞬にすぎない。一瞬だからこそ、積み重ねた時間や思いがひとつひとつのプレーに反映されてくる。そんなことをひしひしと感じたようだ。
柳田は今年度、全日本の主将を務めている。始動して約3カ月が経過しようとしているが、心がけているのは、「全員がコミュニケーションを取れるような状況を作る」のを意識することだという。世界各地で行われたネーションズリーグや国内合宿、韓国との親善試合などを経たことで、主将という大役も、特別肩に力が入ることなく務めているようだ。
「代表には自分より上手い人もいっぱいいて、そういう意味では勉強しながらやっていくという部分もありますね。主将だからすべてを引っ張らなくてはいけないわけではないと思いながらやっています。周りの人のおかげで、あまり気負いすぎずやれているなとは思います」