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卓球・Tリーグ開幕まで3カ月!
琉球アスティーダの凄腕社長に注目。
text by
瀬尾泰信(Number編集部)Yasunobu Seo
photograph byRyukyu Asteeda
posted2018/07/24 07:00
福原愛さんの夫・江宏傑選手をはじめ台湾人選手を3人も獲得したのは、早川周作球団社長の戦略の一環だ。
なぜ外国なのに台湾を重視する?
選手としては、世界ランク最高5位の丹羽孝希、松平兄弟の兄・松平賢二や昨年から所属する台湾選手の福原愛選手の夫でもある江宏傑に加えて、台湾トップ2の陳建安、荘智淵も獲得した。
「沖縄を中心としてアジア地図を眺めてみると、アジア諸国、特に台湾との近さに気づきます。実際、沖縄から東京は飛行機で約2時間半かかりますが、台北はわずか約1時間。東京からお客さんを呼ぶよりも、台湾からのインバウンドを真剣に考えていい。
実際、経済面でも、沖縄のゼネコン会社が台湾の開発を手がけることが多かったりと、台湾と沖縄は切っても切れない仲にあります。ならば、この地の利を活かさない手はありません。そういった方針も、台湾の選手を重点的に獲得することにつながりました」
YouTubeも卓球教室も巻き込んで。
異色のメンバーも加わった。YouTubeで有名選手との対戦動画や技術動画を流している “ぐっちぃ”こと山口隆一さんも加入したのだ。
「加入については、リーグ内で反対の声もありました。でも、彼が登場する『WRM-TV』のチャンネル登録者数は9万8000人。彼の力でチームやリーグの知名度をアップさせることが必要だと考えました。
それに、競技レベルはトップ級とまではいきませんが、彼は卓球をなによりも愛していますし、彼のような選手がプロになれるというのも、夢があっていいじゃないですか」
選手たちは、試合だけでなく、全国各地で開催予定の卓球教室に積極的に派遣していきたい、とも考えている。
「卓球は生涯スポーツとして40代以上の方々にも幅広く親しまれていますが、そういった方々は自分のプレー向上には関心があるけど、卓球の試合を“観る”ことへの興味はさほどではありません。そこで、東京や大阪をはじめ、全国各地で開かれる卓球教室選手を派遣して、そこで選手たちに触れてもらう機会を積極的に作っていきたいと思っています。
あるいは、卓球教室の参加者に、アスティーダのタオルやボトル、Tシャツなどのグッズを使ってもらう。そうすることでチームや選手への関心を引き出し、サポーターになってもらえたらいいですよね」