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「スポーツクライミングを、もっと!」
競技を支える人たちの熱意。<PART2>
posted2018/07/31 11:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Shigeki Yamamoto
「スポーツは心をひとつにする。瞬時に人の気持ちを導引できるパワーをスポーツは持っていると思いますね」
こう感嘆するのは、住友商事広報部長の新森健之さんだ。業務が多岐にわたる商社が特定の競技のスポンサーになることは珍しいが、なぜ住友商事はスポーツクライミングをサポートするのか。
「弊社は2019年に創立100周年を迎えるので、次の100年の繁栄を見据え、新しいことに取り組もうという気運が高まっています。その中でスポーツクライミングとの出会いがありました。いろいろなスポーツがありますが、弊社とスポーツクライミングの関わりにストーリーが見えたんです。キーワードは、ずばり『壁を越える』。選手は壁を目の前にし、まず分析をして戦略を練ってシミュレーションをします。そして思い通りに体を動かすために技術や体力がなくてはいけない。商社の仕事もまた同様に分析と戦略、周到な準備、スピード感が重要なのです」
思考、度胸、諦めない気持ちに共感。
6月に日本で開催されたボルダリングのワールドカップを観戦し、新森さんは確信したという。
「思考することも大切だし、度胸も必要。そして諦めない気持ち。常日頃、ビジネスの世界で悪戦苦闘している我々に、スポーツクライミングは非常に相性がいい。弊社としてはぜひこういうスポーツを応援したいし、社員全員がこのスポーツを応援しようという社内の空気を作りたかった」
会社にとって100周年という大切な節目。社員の気持ちの発揚や団結を、スポーツクライミングによって促そうというわけだ。
「皆の気持ちをひとつにしたい。スポーツクライミングにはその力があると信じていますし、徐々にですが社員たちの間にその存在が浸透してきています。これからも全力でスポーツクライミングをサポートしていきたいですね」