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代表の攻撃に閉塞感が漂う理由は?
必要なのは西野監督が方向を示す事。
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![寺野典子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
寺野典子Noriko Terano
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/06/11 17:40
![代表の攻撃に閉塞感が漂う理由は?必要なのは西野監督が方向を示す事。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/0/700/img_60bd8391ee5c7894db991e6774309020218784.jpg)
時間がないのはわかりきっていたことだ。その中でいかにメンバーの長所を組み合わせるかが監督の手腕にかかる。
監督の存在感が希薄すぎる。
当然それは本田の仕事ではなく、指揮官の仕事だ。明確なチームコンセプトを打ち出し、選手を導くのが監督の務めだからだ。欧州のチームでは、選手は自身を輝かせようとエゴをぶつけ合うこともいとわない。しかし、最終的な決定権を監督がしっかり握り、チームとしての方向性を示すため、衝突が障害にはならないのだろう。
材料を揃え、料理するのが監督だ。その作業のなかで、素材の持ち味を最大限に引き出し、同時に複数の素材を組み合わせることで、より良質な一皿を作り上げていく……。だからこそ、選手個々が輝くことができる。
戦術が複雑化し、組織力が勝敗を左右する現代サッカー。実際にプレーするのは選手であって、監督はそこには立たないとしても、その存在感はピッチに漂っている。それが監督なのだ。
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選手たちを自由にプレーさせるためには、監督がピッチ上でもイニシアチブを握らなくてはならない。
しかし残念ながら、選手やチームに絶大な影響力を持つはずの監督の姿を、日本代表の選手の言葉から感じることは少ない。それこそが、この閉塞感の正体なのだと思う。
前監督は強すぎるほど、その存在感を示し続けた。それが反面教師となり、監督は存在感を薄め、選手たちには「自分たちで」という想いが募っているのかもしれない。それでも監督が旗を持ち、向かうべき方向を指し示さなければ、チームは動けなくなる。
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