ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
マイルを制するものは2400を制す。
名手武豊とジャンダルムが栄光を掴む。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2018/05/23 07:00
歴代最多のダービー通算5勝を誇る武豊を背に、ジャンダルムは2400m戦に挑む。
決して力負けではないという本心。
勝った馬、すなわちエポカドーロは道中4番手を追走。前を行った3頭が後続を離していたため、形としては集団を引っ張るような位置で競馬を進めたことになる。4番手以下を離した前の3頭だけは速いラップを刻んだが、4番手以降は緩い流れだったので、エポカドーロにすればスローで逃げているのと同じような形になったわけだ。
一方、スタートのタイミングが合わなかったジャンダルムは後方から。流れてくれなかった集団の後方にいたわけだから、厳しい競馬を強いられてしまったと言える。
「それでも最後は差を詰めてきてくれていたけど、あの競馬では勝ち負けまで食い込めなくても仕方ありませんね」
決して力負けではありませんという気持ちが池江の言葉の行間から滲み出る。そして、実際にその競馬ぶりを見直せば、この言葉が単なる強がりでないこともよく分かる。
距離別路線が整備された最近はあまり耳にしなくなった言葉だが、その昔はよく言われていた格言にこんなものがあった。
“マイルを制する者は2400mを制す”
今年のダービーの結果次第では、久しぶりにそんな言葉がクローズアップされるかもしれない。将来の名マイラー・ジャンダルムの走りに期待したい。