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香川真司が発表直後に語ったこと。
「コロンビア戦から逆算してきた」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYusuke Mimura
posted2018/05/18 17:15
メンバー入りを信じて自主トレを続けてきた香川真司。W杯が厳しい戦いになることは避けられないが、暗い表情は見せない。
外れたメンバーの分まで誇りと責任を持って。
5月30日のガーナ戦に挑むメンバーは27名。ロシアW杯の登録メンバーは23名。
つまり、この先少なくとも4人はメンバーから外れることになる。それでも恐れはなく、むしろ、いまは前向きな気持ちでいるという。
「もちろん外れたメンバーもいるし、彼らにしかわからない気持ちはある。そのためにみんながやってきたので……。だからこそ選ばれたメンバーひとりひとりが、誇りと責任をもって、やっていかなきゃいけない。チームとして、1つになってやっていきたいなと思っています」
ドルトムントでの苦難は予行演習だった?
ドルトムントでは、昨年12月にボシェ監督が解任され、シュテーガー監督が就任した。
チームに動揺が走るなかで香川は高いパフォーマンスを披露して、ドイツのメディアから絶賛を受けていた。
ハリルホジッチ監督の契約が解除されてから準備期間がない状況で戦う現在の状況に、ドルトムントでの経験から活かせるものがあるのではないか。
そう問うと、「これまでも(クラブでは)監督は代わりまくってきたから(笑)」と、少し冗談めかして口にしてから、キュッと表情を引き締めた。
一呼吸おいて、香川はゆっくりと話し始めた。
「でも、それは僕にとって、この4年間は最高の経験だったのかな。色々な監督の下でやれたことは。それが今に活きていると思っている。色々な監督とあって、色々な悔しい想い……そういう想いもたくさんしてきたので。
だから、誰が監督になろうと受け入れること。そしてそのなかで、自分をどう表現するか。予行練習じゃないですけど、そのために試されていたのかなと。
だから、この状況になって慌てることもないですし、恐れるものもないですし。そのなかで自分をどう見せていくか、チームとしてどうやっていくのかというのを、どれだけやっていくかじゃないですか」
喜びを見せるわけでもないが、不安そうな素振りは少しも感じさせない。泰然とした表情で20分近く語ると、香川はトレーニング場を後にした。