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男女双方をバレー日本一へと導いた、
名将・酒井新悟の心をつかむ監督術。
posted2018/04/30 07:00
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
日本リーグから続く長い歴史の中、バレーボールの男子と女子、双方を監督として率いて日本一に導いたのは、わずか3人しかいない。
新日鐵と東洋紡を率い、後に2004年アテネ、2008年北京五輪で女子日本代表監督を務めた柳本晶一と、新日鐵と久光製薬を率いた後、2012年ロンドン五輪と2016年リオデジャネイロ五輪で女子日本代表監督を務めた眞鍋政義。
そして3人目が、かつて堺ブレイザーズでVリーグ男子を制し、今季、久光製薬を2シーズンぶりのVリーグ女子優勝に導いた酒井新悟だ。
「女子バレーはまだ2年目。自分も“新人やな”と」
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名将、と称されてもおかしくない経歴なのだが、当の本人は決して偉ぶらない。
「僕なんておこがましいですよ。いい選手と、コーチングスタッフに恵まれたんです。特に女子バレーはまだ2年目ですから。若い選手たちと同じ。自分も“新人やな”と思いながら、一緒に勉強してきただけですから」
女子バレー界では未だに、強豪と呼ばれる中学や高校の大半や、Vリーグでも「自分の言うことを聞けば間違いない」と絶対的なカリスマ性を発揮し、チームを束ねようとする指導者が少なくない中、酒井はむしろその真逆のタイプだ。
今季、日本代表候補に選出された久光製薬のリベロ、戸江真奈がこう言う。
「新悟さんはガツガツこないんです。みんな1人1人考えも経験もあるんだから、常に『自分たちで考えて行動しなさい』って。(前久光製薬監督の中田)久美さんがお母さんなら、新悟さんは見守ってくれるお父さん。今まで接したことがないタイプの監督でした」