野球のぼせもんBACK NUMBER
サファテ離脱で5年目ドラ1の出番。
馬原孝浩の14番を継ぐ加治屋蓮。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2018/04/25 08:00
宮崎県立福島高からJR九州を経て、ドラフト1位で'14年ソフトバンク入団。'16年に一軍初登板を果たし、昨季は2試合のみ登板。
故障に泣いたが高速フォークで復活。
加治屋は森と同期入団で、しかもドラフト1位でのプロ入りだった。かつての守護神だった馬原孝浩の背番号を継承したのだから、その期待の大きさは明らかである。だが、すぐに右肩を痛めるなど故障の多さが仇になった。
投球フォームも崩した。悪癖は体の開き。右打者の外角を狙った直球がシュート回転し、甘く入ったところを痛打されるケースが目立った。
今年はそれが改善されている。アマ時代から「勝負球」にしていた140キロ台の高速フォークもよく落ちている。
「昨年の秋、二軍に久保康生投手コーチが就任されて、キャンプで色々なことを教えてもらいました」
元巨人のガリクソンのような投げ方に。
大胆な練習法にも着手した。ブルペンでまるっきり違うフォームで投げていた。例えるなら、古くて申し訳ないが、元巨人のガリクソンのような投げ方だった。
メジャー投法に変更かと訊ねると、「右腕が上がるのが遅く、体が前に突っ込んでから出てきていた。だから体が開いた状態で投げることしか出来なかった。それを修正するための方法です」と笑って否定した。
「今年2月のキャンプもB組で、なかなか上に呼ばれることがありませんでしたが、いつかチャンスがあると信じてやっていました」
スムーズな体重移動が出来るようになったコツは、「キャッチャーに一直線にラインを描いて、そこに体を滑らせるイメージ」という。
「以前はバッターでなくて自分自身との勝負になってしまっていた。今は打者に向かっていけている」