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井端コーチが見抜いた岡本和真の才。
「一塁守備」で打撃向上の論理とは?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/04/18 10:30
ホームランを放ち、菅野智之らにベンチで迎えられる岡本和真。21歳の「天才型」打者は、シーズンを通して活躍できるか?
原辰徳前監督「彼には独特の“間”がある」
4年目を迎えた今季の岡本は、開幕から阿部慎之助内野手を押しのけて、一塁のレギュラーポジションを守っている。
もちろん岡本の売りは類い稀なセンスを持つバッティングだ。
「彼には独特の“間”がある。あれだけは教えようとしても教えられない天性のもの。打者としての才能は、将来的には巨人の4番を任せられる。そういう可能性を秘めている素材であることは間違いない」
ドラフト1位指名を決めた原辰徳前監督もこう評した「天才型」の打者が、ようやくその片鱗を見せはじめている。
開幕の阪神3連戦では2本塁打8打点の大暴れをして、「覚醒」の2文字がスポーツ紙に躍った。その後も爆発とまではいかないが、ここまで15試合を消化して、打率2割6分4厘で3本塁打、13打点で5番を任されるなど、確実に成長の足跡を残している。
守備が下手だから一塁になった訳ではない。
この打者・岡本の成長を、もう1つの道から見ているのが井端コーチなのである。
「岡本の一塁守備がかなりうまくなっているんですよ。結果的に守備がうまくなったこともバッティングに好影響を与えているのは確実だと思いますよ」
チームは昨オフにベテランの村田修一内野手を自由契約にして三塁のポジションを空けた。そこに入る候補にはケーシー・マギー内野手と岡本の名前が挙がっていて、「三塁・岡本、一塁・マギー」という組み合わせになる可能性もかなりあった。
「結果的に岡本が一塁になったのは、守備が下手だからじゃないんです。むしろ岡本は一塁の守備の適応能力が高かった。そういうことを含めて最終的に判断が下されたんですけど、今は一塁を守らせて良かったと思っています。三塁ではバッティングを含めて、ここまできていたかどうかは分からない」
井端コーチがこう語る背景には、自らが経験した一塁守備の難しさ、一塁手の重要性があった。