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ホームランと奪三振だけじゃない!
大谷翔平が全米で“So cute!”な理由。
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAP/AFLO
posted2018/04/09 12:00
日本のファンだけでなく、エンゼルスファンだけでなく、全米中が大谷のプレーに注目し始めている!
米国で深刻化するファンの野球離れ。
ここ数年、メジャーリーグのファン離れが深刻化している。
ドーピング問題、試合時間の長さ、選手交代の多さによる展開の遅さ、チケットの高騰化、生え抜き選手の少数化。応援していた選手が契約金の高いチームに移籍することに嫌気がさした人も多い。
ここ10年ほど、スタジアムの老朽化の影響もあり、多くのチームがスタジアムの建て替えを行った。
しかし客足の伸びにはさほど結びついていない。むしろ新しいスタジアムを好ましく思わないファンもいる。
ブロンクスで生まれ育ったという男性は「幼い頃に父や祖父とよく野球を見に行った。スタジアムの隣の芝生でキャッチボールをしてからスタジアムに行くのが恒例だった。新しいスタジアムになって、自分の思い出が奪われたような気がする」と話してくれた。
多くのチームで、同じように感じているファンは少なからずいるのではないだろうか。
球場にファンが来ない、テレビ中継も見ない……。
昨年5月のマイアミ・マーリンズ対フィラデルフィア・フィリーズの試合では、1989年以降で最低観客数となる1590人(※球団公式発表は15197人)という驚異的な数字を叩き出している。
そして、観客動員数だけではなく、視聴率も伸び悩んでいる。
試合のハイライトはスポーツニュースやSNSでチェックすればいい、そんなファンが増えているのが現実だ。
各チームは様々な方法でファン獲得の努力をしているが、一度離れたファンの心を取り戻すのは至難の技だ。