月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
スポーツ新聞に愛された男――。
「劇薬」貴乃花親方の功績とは?
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byJMPA
posted2018/04/01 09:00
角界の改革を進めるはずの貴乃花親方の、その足元で起こった暴行事件。親方の無念、いかばかりか……。
「裁量労働制」は貴乃花親方の働き方にアリ。
こうなるとますます貴乃花親方が来るか来ないかに注目が集まる。スポーツ報知は3月20日の1面で「今場所の貴乃花」をまとめた。それによると、
初日~4日目 欠勤
5日目 役員室での滞在は2分40秒
6日目 同30秒
7日目 同25秒
8日目 1時間15分滞在
9日目 3時間滞在
これを見ると「裁量労働制」はここにあったことがわかる。国会になり代わって貴乃花は働き方改革を実践していたのかもしれない。
しかし8日目から、とくに9日目は急に役員室での滞在時間が長くなっている。
何かあったのか?
いや、あったどころではなかった。8日目にこんな事件があったのだ。
「貴親方 弟子が!! 暴行 新十両貴公俊 付け人を何度も殴る 流血の支度部屋 目撃者多数」(日刊スポーツ・3月19日)
よりによって暴力問題を訴えていた貴乃花親方の弟子が暴行事件を起こしていたのだ。
暴力はアウトだが……これは怒られる!
最初にこのニュースを知ったとき「それにしても付け人はデカイしくじりをやったなぁ」と私は思った。
付け人の不注意によって取り組みの時間が誤って伝わり、貴公俊は土俵下の控えに慌てて駆け込んだというのだ。付け人としてこれ以上のミスはあるだろうか? 暴力はアウトだが、これは怒られるだろう。しかしなぜこんな間違いを?
すると翌日の日刊スポーツが1面で、
「暴行一因に 貴親方の孤立」(3月20日)と報じた。
「付け人のミスは、人手不足も一因だ」と書かれていたのだ。
一体どういうことか。