月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
スポーツ新聞に愛された男――。
「劇薬」貴乃花親方の功績とは?
posted2018/04/01 09:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
JMPA
もう貴乃花親方のことはいいじゃないか、土俵上の話題に集中しようよという方もいるだろう。
しかし「スポーツ新聞時評」というからには“スポーツ新聞に愛された男・貴乃花”について触れないわけにはいかない。
またしても「今場所」の主役だったのである。
最初はこれ。
「貴親方 告発協会に『重大な疑義』明日初日 春場所直前」(スポニチ・3月10日)
貴乃花親方が、日本相撲協会を監督機関である内閣府の公益認定等委員会に告発。元横綱・日馬富士の貴ノ岩に対する傷害事件で「相撲協会の対応に疑義があるなどの理由から、立ち入り検査などを求める内容」。
《貴乃花親方は自身の理事解任についても疑問を投げかけ、貴ノ岩の土俵復帰を迎えても、一連の騒動の終息点は再び見えなくなってきた。》(スポニチ)
もしかしたら春場所にぶつけてきたのだろうか。
好角家はうんざりするかもしれないがやはりというべきかこれ以降のスポーツ紙の1面は貴乃花が独占した。
HPで自らの出勤状況を説明した親方。
まず話題となったのが出勤情報である。
《大相撲の貴乃花親方(元横綱)は春場所9日目の19日、エディオンアリーナ大阪内にある役員室に約3時間滞在し、今場所初の“出勤”が実現した。》(サンスポ)
なぜ出勤しただけで記事になるのか。
本来、貴乃花親方は役員待遇委員として場所中は会場に常駐すべき立場なのだが、初日から欠勤していたのだ。その理由は、
《貴ノ岩は、頭部に負った傷の回復状況から、心身への影響や後遺症等について予断は許さない状況であり、担当医師等と連絡を取りながら慎重に見極めていく必要がございます。そのため、私は、場所中、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)に常時滞在することは極めて難しい状況でございます》とHPで説明した。