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W杯前に“直接FKが脅威”と刷り込め。
本田・柴崎が今回のキーマンな理由。
posted2018/03/19 12:15
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
W杯で勝つための論点が、すっぽりと抜け落ちている。
3月23日にマリ、27日にウクライナとテストマッチを行なう日本代表に、本田圭佑が復帰した。ポルトガルで結果を残している中島翔哉も、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のチームに初めて合流する。所属クラブでのパフォーマンスを見れば、どちらの選手もメンバー入りにふさわしい。
アジア最終予選突破を後押しした井手口陽介と浅野拓磨の招集外は、所属先での出場状況を考えればやむを得ないだろう。
彼らのように出場機会が限られている立場の選手を代表に呼び、パフォーマンス向上のきっかけを与えるやり方もある。かつてのジーコ監督はそういった手法を用いた。
いずれにせよ、誰を選ぶのかは監督の専権事項だ。実績や経験より現時点でのパフォーマンスが優先されるハリルホジッチ監督の選考基準が、分かりやすくて公平であるのも確かである。
南アW杯では遠藤と本田が直接FKを決めた。
気がかりがあるとすれば時間だ。
W杯で対戦する3カ国は、すでにチームを固めている。「個」の比較で劣勢が明らかな日本に、開幕3カ月前の時点でなお新しい武器を探している余裕があるのだろうか。
アルジェリアを率いた4年前と同じように、ハリルホジッチ監督は試合ごとにスタメンを入れ替えるのかもしれない。もしそうだとしても、どうやって勝点を取るのかの道筋はつけておくべきだ。
日本に足りないのは、リスタートの有効活用だろう。
フィジカルの差が介入せず、日本人の技術を生かせる直接FKは、世界で戦ううえで得点パターンとしなければならない。南アフリカW杯のグループリーグ第3戦で遠藤保仁と本田が直接FKを突き刺し、フィジカル自慢のデンマークを下してベスト16入りを決めた歴史を、ロシアW杯を前に思い返しておくべきだ。