濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
躍進を続ける“進撃の大巨人”。
三冠を制した石川修司が古巣DDT制圧へ!
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byDDT Pro-wertling
posted2018/03/17 07:00
前哨戦で王者・竹下幸之介を痛めつける石川修司。勝利後にリング上で歌を唄う儀式も定着してきた!?
黒のショートタイツは“正統派”の決意表明。
「自信というより責任感が大きいですね。チャンカン(チャンピオン・カーニバル)獲って最強タッグ獲って、三冠王者にもなった。恥ずかしい試合はできないですよ」(石川)
責任感、恥ずかしい試合はできないという思いは「毎年、更新されている感覚」だという。KO-D無差別級、デスマッチヘビー級、ストロングヘビー級と、新たな栄光を手にするたびに責任感が増した。
三冠タイトル獲得後は、全日本の秋山準社長の勧めもあってコスチュームをパンタロンタイプから黒のショートタイツに変えている。
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いわば“正統派”としての決意表明だ。
巨体をつき動かす“責任感”と“危機感”。
新人時代、その長身から“馬場オマージュ”のレスラーとしてリングに上がったこともある石川。コメントも真面目で、時に“大男ならではの押し出しの弱さ”のようなものを感じることもあった。
そんな選手が、ジャイアント馬場が創設した団体でトップに立ち、そこで得たバリューを引っ提げて古巣に逆上陸する。両国大会のメインイベントには、そんな背景もあるのだ。
昨年、あるレスラーが全日本での石川の活躍をこう言って称えていた。
「彼が凄いのは大きいだけじゃなく動けるところ。それはしっかり練習してるからですよ。体つきを見ればわかる。あの巨体でも腹筋が割れてますからね。体が大きい選手って、それに甘えて練習しなくなりがちなんですけど」
エルボーや頭突き、ランニング・ニーリフトといったサイズとパワーを活かした技だけでなくミサイルキックも使いこなす“動ける巨人”ぶりは、まさにトレーニングの賜物なのだろう。