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パラアイスホッケーの61歳・福島忍。
医師に言われた「良い方なんだよ」。
text by
神津伸子Nobuko Kozu
photograph byKyodo News
posted2018/03/10 09:00
最終予選でもほぼ1人でゴールを守った61歳の福島忍。ライバルの望月和哉が36歳だが、負けるつもりはない。
韓国、アメリカ、チェコと同組に。
パラアイスホッケー日本代表は、'98年長野でパラリンピック初出場。ソルトレーク、トリノではそれぞれ5位となり、2010年バンクーバー大会では銀メダルを獲得した。その後「次こそ悲願の金メダルを」と目標をもう一段上に置いたが、前回のソチでは最終予選で敗れて出場を逃した。
その無念さを胸に、2大会ぶりの表彰台にかける思いは強い。
平昌大会には、カナダ、アメリカ、韓国、ノルウェー、イタリア、チェコ、日本、スウェーデンの8カ国が出場。日本は昨年、スウェーデンで行われた最終予選で勝ち上がって、出場権を獲得している。
予選はA、Bグループに分かれて総当たり戦を行い、上位2カ国が決勝リーグへ進出する。下位2カ国は順位決定戦にのぞむことになる。日本はBグループで10日韓国、11日アメリカ、13日チェコと対戦。テレビでもBS放送で中継される。
初戦の韓国戦が、大きな鍵を握ることになりそうだ。世界ランキングは、現在日本が7位、韓国が3位だが、今までも良い試合を展開して来ている。
日本代表は、出場経験が多い選手と今回が初出場となる選手が半々で構成されている。付き合いが長い選手も多い分、他国のチームより選手同士のコミュニケーションには自信を持っている。
「日本パラアイスホッケーの行方を担う大会」
数々のハードルを乗り越えて平昌に挑む。実は、本番を前に怪我人も出ていた。1月のイタリア・トリノ遠征では、主将でDFの要、須藤悟が右足のくるぶしを骨折。また数名の選手が怪我に泣かされた。その須藤は今大会の決意をこう話す。
「今回の大会は、今後の日本パラアイスホッケーの行方を担う大会になると思っています。前回のソチ大会への出場を逃し、世界での日本チームの位置付けが変わってしまいました。その地位を1つでも高いところへ導くためにも」
常に冷静で日本選手団の主将も務める須藤は、チームの雰囲気が崩れかけた場合も早めに察知し、いつもと同じ和やかな雰囲気を作るように心がけている。
オリンピックでは、パラ代表チームも同じ日の丸を背負ったアイスホッケー女子日本代表チームを応援していた。スマイルジャパンの、厳しい状況でも笑顔を絶やさずお互いの気持ちを高め合う姿から感銘を受けたという。