詳説日本野球研究BACK NUMBER
左打者は俊足よりも強打者がいい?
ドラフトに見るチーム強化の早道。
posted2018/03/03 09:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Hideki Sugiyama
昨年のWBCジャパン代表メンバーを見て「変わったな」と思ったのは右打者が多くなったことだ。ベーシックだった打順は、こうだった。
1番山田哲人、2番菊池涼介、3番青木宣親、4番筒香嘉智、5番中田翔、6番坂本勇人、7番鈴木誠也、8番松田宣浩、9番小林誠司。
このうち左打者は青木、筒香の2人、控えにも秋山翔吾、田中広輔の2人しかいなかった。
では過去3回のWBCは、どれくらい左打者がいたのか。
第1回(2006年/優勝):イチロー、西岡剛(両打ち)、福留孝介、松中信彦、岩村明憲、小笠原道大、川崎宗則、青木、金城龍彦(両打ち)
第2回(2009年/優勝):イチロー、青木、稲葉篤紀、小笠原、福留、岩村、川崎、阿部慎之助、亀井義行
第3回(2013年/ベスト4):鳥谷敬、阿部、糸井嘉男、稲葉、角中勝也、本多雄一、松井稼頭央(両打ち)
WBCでは韓国サウスポーに苦しめられた。
この中で左打者の活躍が目立ったのは、第1回だった。
打率3割を超えたのは、イチロー.364、西岡.355、松中.433、岩村.389。それが第2回の3割超えは川崎の.429、青木.324、稲葉.318の3人に減り、第3回は0人、第4回は筒香.364、秋山.429の2人だけ。
第2回で優勝を争った韓国にはポン・ジュングン、リュ・ヒョンジンという好サウスポーがいて、左偏重の日本打線は2人に苦しめられた。この流れもあり“左打者の漸減現象”は今後のプロ野球の流れになると思っていた。
しかし、昨年の打撃十傑を見ると、そうでもないようだ。