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左打者は俊足よりも強打者がいい?
ドラフトに見るチーム強化の早道。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2018/03/03 09:00

左打者は俊足よりも強打者がいい?ドラフトに見るチーム強化の早道。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

足も速いが、柳田最大の魅力と言えば長打力。一振りで得点を生み出せる魅力にあふれる。

'17年のパは1~5位すべてが左打者。

 パ・リーグは1~5位まで秋山翔吾(西武)、柳田悠岐(ソフトバンク)、茂木栄五郎(楽天)、西川遥輝(日本ハム)、銀次(楽天)とすべて左打者だ。セ・リーグも3位大島洋平(中日)、4位安部友裕、5位丸佳浩(ともに広島)、8位鳥谷、10位糸井嘉男(ともに阪神)と10人中5人が占めている。第1回が行われた06年はパが7人、セが6人だった。多少減ったが左打者は今も多いと言える。

 ドラフトではどうだろう。'08年以降の過去10年で見ると、'13年までの6年間は右打者113人に対して左打者65人、内訳は37%だった。それが'14年以降は右打者69人、左打者68人と拮抗している。

 この背景には'08~'13年に指名された左打者の活躍がありそうだ。どんな選手がいたのか見てみよう。

10年間で最も左打者を指名したのは?

<'08~'13年に指名された主な左右打者>

右打者:浅村栄斗(西武)、今宮健太(ソフトバンク)、長野久義(巨人)、山田哲人(ヤクルト)、菊池涼介(広島)、宮崎敏郎(DeNA)、鈴木誠也(広島)

左打者:中島卓也(日本ハム)、筒香嘉智(DeNA)、大島洋平(中日)、西川遥輝(日本ハム)、秋山翔吾(西武)、柳田悠岐(ソフトバンク)、鈴木大地(ロッテ)、大谷翔平(日本ハム)、田中広輔(広島)

 左打者の方が主力に定着している。左打者は一塁ベースに近い分、脚力重視になりがちだ。しかし名前を挙げた筒香、柳田、大谷は強打で目立っている。また'14年以降でも吉田正尚(オリックス)というスラッガーがいる。

 各球団の傾向も見ていこう。'08年以降の過去10年、野手は合計315人が指名された。そのうち左打者の合計は133人。左打者を多く指名した球団から順に見ていく。

 1位/日本ハム、中日(ともに16人)、3位/DeNA(14人)、4位/オリックス(13人)、5位/西武(12人)、6位/楽天(11人)、7位/ソフトバンク、阪神(ともに10人)、9位/広島、巨人(ともに9人)、11位/ロッテ(8人)、12位/ヤクルト(5人)

【次ページ】 強打重視の日本ハム、俊足重視の中日。

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