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錦織圭、反撃のシーズンが始まる。
ツアー復帰戦の「悔しさ指数」は?
text by
吉谷剛Tsuyoshi Yoshitani
photograph byAP/AFLO
posted2018/02/21 11:30
手首の負傷から徐々に戦線復帰を果たしている錦織。ここからのテニスシーズンをにぎわせるはずだ。
「手応えと悔しさ。率直な気持ちは」
クールダウンと右太もものアイシングを終え、試合終了から40分後にミックスゾーンに出てきた錦織選手に真っ先に「手応えと悔しさ。率直な気持ちは」と、ぶつけた。
「両方ですね。久しぶりにトップ10あたりの選手とやって緊張もあったし、簡単にやられなくて良かったなという部分もちょっと感じている。もしあれで1コ、1コとかでやられていたら、振り出しに戻っていた可能性もあるので。自信を持つという意味では、2セット目と3セット目はいいプレーも出た。ただ勝ち切れた部分やチャンスもあったので、悔しい面もある」
アンダーソン戦ではショットが決まらず、吠える場面があった。大事なポイントを奪えずラケットを振り上げて、頭上で止める姿も。自分への苛立ちは勝利への強い気持ちが戻っている証しだ。「簡単にやられて、振り出しに戻る」シナリオもよぎった中で、ケガをする以前には持ちえなかった敗北の中に漂う満足感が、表情ににじみ出ていた。
指数は「80」。次への糧にするには、十分な悔しさだ。
28歳、反撃のシーズンが始まった。