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ホリエモン万博の「泥仕合」って!?
素人の試合で……人間ドラマを実感。
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byYumika
posted2018/02/09 16:30
グローブも防具も大きく、腹も出てるし、体力も無い……だが、懸命にパンチを繰り出す姿には何かがある!
巨大グローブの元自衛官vs.素人女性の対戦って……。
そもそも「男と女の遺恨! 危険なガチバトル」と題された第2試合のように、1mはあるような巨大グローブをつけた元自衛官と、私服姿の格闘技素人女性が殴り合っていたりするのだから、お金を払って純粋にスポーツとして観るには無理がある(これはこれでおもしろいのだけど)。
ところが視点を変えて、こう考えてみると、俄然おもしろくなってきた。
『HATASHIAI』は、「ドキュメンタリー」である、と。
各選手の背景を知ると、泥仕合が魅力的に輝く!?
大会では、各試合前に選手の肩書きや、なぜ大会に出場したのかが語られる煽り映像が流される。そのバックボーンを知った上で「泥仕合」を見ると、いつの間にか感情移入してしまう。
この日、最も心を打たれたのが、第9試合「『HATASHIAI』初参戦同士のガチバトル」に出場した、“飛び込み営業で世界一周! ハイパー営業マン”山野達也選手である。
格闘技を始めたのは1カ月半前、大会出場が決まってからなのだとか。普段は営業支援の会社で、大企業の営業コンサルタントを行なったり、自ら飛び込み営業に行くこともある。
対戦相手は“この男、凶暴につき 現代に蘇った九紋龍史進”龍彦選手。
試合前のウォーミングアップやリングへの入場の仕方を見ても、明らかに場慣れしている。ヘッドギアも着用していない。
予想どおり、開始のゴングが鳴ると一方的な展開になった。龍彦選手が殴り、殴り、殴る。
1分が経過しても顔面にパンチをもらい続け、反撃の手も出ない山野選手の姿を見て、客席から「あの選手、大丈夫……!?」と不安の声が聞こえたのも無理はない。
ところが、第1ラウンド残り10秒を切ったところ(試合は1ラウンド1分30秒の3ラウンド制)で突如、力強い左右のパンチを繰り出した。
客席からは、驚きの声が!