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比嘉大吾の15連続KOは最高に濃い。
世界戦を含めた記録は日本で唯一だ。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2018/02/05 17:00
比嘉大吾が強すぎてあっけなく終わったように見える防衛戦だったが、沖縄でフエンテスと戦うことに重圧がなかったわけがないのだ。
日本の連続KO記録上位で、世界戦を含むのは比嘉だけ。
比嘉の15戦も、敵地タイでのWBCユース王座戦に始まり、東洋太平洋タイトルマッチが2試合、世界タイトルマッチが3試合だから、浜田氏でなくとも高い評価を与えるだろう。そもそも日本人の連続KO記録の上位選手の中で、世界戦が含まれているのは比嘉だけ。いかに今回の記録に価値があるか、分かってもらえるのではないだろうか。
試合翌日の記者会見で、比嘉は今後について「(減量の限界に近づいていて)フライ級は長くないと思うので、できればすぐにでも統一戦がやりたい。できなければ上に行ってやりたい」と統一戦か、2階級制覇か、という希望を示した。
2月24日に米カリフォルニア州で行われるWBAとIBFのフライ級タイトルマッチを視察に行くことも明らかにされた。22歳の若きチャンピオンが飛躍のときを迎えようとしている。
今後たとえどんな試合が組まれようとも、比嘉はKOにこだわり続ける。
「全部倒しにいきます」
その舞台が大きければ大きいほど、記録の価値はさらに高まるだろう。