球道雑記BACK NUMBER
ロッテ開幕投手は二木康太が奪う!
薩摩隼人がノホホンから一転……。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/01/27 17:00
自主トレでは故郷の英雄“西郷どん”のTシャツを着用した二木。その決意はこれまで以上に強い。
プロ4年目で初の規定投球回、防御率も3.50以内。
追う側から追われる立場へ――。
チーム内で変わってきた立ち位置について二木は、このように語っている。
「僕が島とか種市くらいの年齢のときは西野(勇士)さんを目標にずっとやっていました。そこで色々と教えてもらうこともありましたし、そんな西野さんと比べて、自分はまだまだだと思います。ただ投手陣全体とはいかなくても、年下のピッチャーが増えてきた分、僕も彼らの参考になれるよう、そして刺激になれるよう、1つでも何か出来ればいいなとは思ってやっています。とはいえ、まずは自分のことなんですけどね」
そう語る二木の姿は、やけに頼もしい。
西野から二木、そして二木から後輩たちへ――。
ロッテ浦和球場で汗を流す若手投手たちに、良き土壌が築かれつつある。そう感じた。
二木自身、成長にはまだまだ満足していない。昨年はプロ4年目にして初の規定投球回数(143回)を達成、開幕前に立てた防御率3.50以内という目標もクリアし、「有言実行」の1年だった。
リーグ4位の5完投に関しては納得いっていない。
しかし、リーグ4位の5完投の数字について話を振ると、彼は強い口調でこう返してきた。
「数字はたしかに5完投ですけど、9回を投げ切った試合は2試合だったので、5完投といっても自分では投げ切ったとは全然、思っていないんです」
二木が昨年記録した5回の完投のうち、9回まで投げ切った試合は5月27日のオリックス戦と8月6日の東北楽天戦の2つだけだった。その2試合はともに1失点完投勝利。自ら志願して投げた試合もあればそこに満足はしている。
ただ残りの3試合はビジターで、8回までしか投げていないものや、雨天コールドで6回までしか投げていない完投も含まれている。二木が「(5試合も)投げ切ったとは思っていない」と語った理由はそのためだ。