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ロッテ開幕投手は二木康太が奪う!
薩摩隼人がノホホンから一転……。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/01/27 17:00
自主トレでは故郷の英雄“西郷どん”のTシャツを着用した二木。その決意はこれまで以上に強い。
「今年は開幕投手というチャンスもありますし」
さらに昨年は中盤戦で調子を落として、6月17日から7月29日までに5連敗するなど課題も残った。
「昨年1年間やらせてもらって、どこで疲労が来るかとか改めて分かった部分もありました。なので今年は継続してやっていることをさらに意識して、シーズン中もマッサージだったり、ストレッチだったり、それらをしっかりとやりながら、昨年以上の結果を残す。出てきた課題を参考に、今年はやっていきたいと思っているんです」
そんな向上心が強い二木を見て、井口資仁新監督も「(彼は)まだまだやれる」と大きな期待を寄せている。
二木自身もその期待に応えられるよう、このオフは自覚をじゅうぶんに持って過ごしてきた。取材で話す言葉の節々からも、それは感じられ、昨年まで涌井秀章や石川歩の陰に隠れてきた自分ではなく、今年は自分から前に出てアピールしていこうという強い意識も感じられる。
自ら開幕投手に名乗りを挙げたのも、そうした立場をじゅうぶんに理解したからこそだし、そこは昨年の二木と大きく変わったところのようにも思う。
「欲はもちろん出してやっていきます。今年は開幕投手というチャンスもありますし、そこに合わせる意識で今はやっています」
ノホホンとした雰囲気から、やってやろうという闘志。
プロ入り1年目の二木はどこか、ノホホンとした雰囲気だった。そこが良い意味で彼の良さでもあったのだが、今年はそうした頃の彼とはどこか違う。
「やってやろう」という闘志がみなぎっているのだ。
奇しくも2018年はNHK大河ドラマで、二木の生まれ故郷である鹿児島の英雄、西郷隆盛が取り上げられた年でもある。鹿児島の下級藩士から日本を動かすほどの存在になった西郷と、ドラフト6位からチームを代表するピッチャーになろうとする二木の姿はどこか被る。
千葉ロッテの今年のスローガンは「マクレ」。競輪や競馬などで、後方から一気に先頭に躍り出る戦法も由来にある。
二木にとってチームの、そして日本を代表する投手になる「捲り」の一年となるか。注目したい。