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フィギュア全米選手権で波乱が!
ワグナーとブラウンが平昌五輪逃す。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byUSA TODAY Sports/reuters/AFLO
posted2018/01/10 17:00
全米選手権の表彰台より。左から、長洲未来、ブレイディ・テネル、カレン・チャン、アシュリー・ワグナー。
男子は……予想通りにチェンが優勝。
男子はSPでネイサン・チェン、アダム・リッポン、ジェイソン・ブラウンがトップ3だったところまでは、大方の予想通りだった。
だがフリーは、トップ選手の失敗が続出して大混乱状態に。
そんな中でチェンだけは、さすがに安定した演技を見せた。不調だという4ルッツは組み込まず、フリップ、トウループ、サルコウの3種類の4回転ジャンプを5回着氷。最後まで大きなミスなくまとめて、総合315.23と一人抜き出たスコアで悠々と優勝を果たした。
総合2位は、SP6位からいっきに挽回したロス・マイナーである。4サルコウと、8回の3回転ジャンプをノーミスできめてスタンディングオベーションを得た。
3位は17歳のヴィンセント・ゾウだった。フリーでは5度挑戦した4回転ジャンプのうち4つが回転不足になるなど失敗も多かったが、後半で3アクセルを2度きめてSP5位から表彰台に駆け上がった。
アダム・リッポンは総合4位、ジェイソン・ブラウンは6位という結果に終わった。
2位になるも代表をはずされたマイナー。
だが翌日の五輪選考会議では、アダム・リッポンが平昌オリンピック代表に選ばれ、そのために3位のゾウではなく、2位だったマイナーがはずされた。
3位だったヴィンセント・ゾウは現世界ジュニアチャンピオンで、将来の経験のためにもUSFSAにとって是非オリンピックに出しておきたい選手であっただろう。
一方ロス・マイナーは2011年、2012年と連続してNHK杯で銅メダルを手にした選手で、2012年四大陸選手権で3位に入った経歴もある。だがここ数年、成績は低迷して今季の世界ランキングも26位まで下がっていた。
一方、アダム・リッポンはこのところ安定した演技を見せて、ここ2シーズン連続でGPファイナルに進出。今シーズンの世界ランキングは5位である。
ISU公認のパーソナルベストスコアも、リッポンのほうが18ポイント余り上であることを考えると、USFSAが事前に出していた代表選抜の条件と照らし合わせて、リッポンを代表にしたのは妥当な選択といえる。