濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
RIZIN年末大会が見せた新しさ。
その背景にあった“つなぐ”物語。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2018/01/06 07:00
UFCでは7勝1敗という強さを誇っていた堀口。RIZINへ移籍し、圧巻のGP制覇を果たした。
堀口の世界レベルの実力がRIZIN全体を格上げした。
とりわけ堀口が見せたワールドクラスの強さ、その説得力は、RIZIN全体のイメージをも“格上げ”したと言っていい。
堀口の狙いはRIZINと日本の格闘技界を盛り上げ、世界の軽量級の中心地にすること。これからRIZINに参戦してほしい選手として、大胆にも現UFCフライ級王者であるデメトリアス・ジョンソンの名前を挙げている。
今やったら勝てるか。会見でそう質問されて、堀口は「勝てます」と即答した。
バンタム級GP準決勝・決勝は再戦だった。
旗揚げ大会ではボブ・サップvs.曙のリマッチが組まれてもいたRIZINだが、やはり新しい時代は新しい選手が作っていくものだ。まして彼らは若くして叩き上げ。決して“急ごしらえ”ではない。
堀口と石渡は、2013年6月22日に開催された『VTJ』で対戦している。
準決勝の石渡vs.大塚隆史は、2014年のDEEPと同一カードだ。
どちらが行なわれたのもPRIDEが終わり、RIZINがスタートする前の時期である。それを“冬の時代”と呼ぶ者もいるが、実際には堀口や石渡たちがファンを熱くさせてくれたし、世界的にはUFCが爆発的なブームを巻き起こしてもいた。
『VTJ』は、UFCで活躍できる選手を発掘、育成すべく始まった。
石渡を下した堀口は、その次の試合からUFCに参戦している。そんな堀口が、2017年になってUFCでの現状に満足せずRIZINに戦場を移し、それを追ってパンクラス王者の石渡もGPにエントリーしてきた。そうして大晦日のメインイベントとして、リマッチが実現したのだ。