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武豊、全GI制覇の難関は朝日杯FS。
17戦して未勝利、今年はいける?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAFLO
posted2017/12/16 09:00
エアスピネルで惜しくも制覇を逃すなど、2着4回。天才・武豊にとって朝日杯は鬼門となっている。
スキーキャプテン、エイシンキャメロンで勝てず。
面白いもので、武は日本ダービーをダントツの5勝もしているのに、その半年前に世代王者を決める朝日杯は17戦して未勝利だ。
1994年はスキーキャプテンでフジキセキから首差の2着。翌1995年はエイシンガイモンでバブルガムフェローから3/4馬身差の2着。そして、1998年にはエイシンキャメロンでアドマイヤコジーンから首差の2着に敗れるなど、エアスピネル以外の馬でも惜しいレースはあった。
そのほか、1996年はランニングゲイル(4着)、1997年はアグネスワールド(4着)、2002年はサイレントディール(8着)、2003年はグレイトジャーニー(7着)、2007年はヤマニンキングリー(7着)、2008年はブレイクランアウト(3着)など、のちに重賞を勝つ素質馬で参戦していたのだが、成長曲線のピークが遅れて来るタイプの馬が多かった。
朝日杯に強い福永と蛯名はダービー未勝利。
逆に、朝日杯で現役最多タイの3勝を挙げている福永祐一も、2勝している蛯名正義も、まだ日本ダービーを勝っていない。
朝日杯とダービーがあまり結びつかなかったから、このような現象が生じているとも言える。
武がダービーを勝ったスペシャルウィーク、アドマイヤベガ、タニノギムレット、ディープインパクト、キズナは、みな朝日杯に参戦しなかった。
福永が朝日杯を勝ったエイシンプレストンは骨折のためダービーには出ず(無事でも距離適性からスキップしたかもしれない)、エイシンチャンプはダービー10着、フサイチリシャールは8着だった。蛯名が朝日杯を制したドリームジャーニーはダービー5着、ダノンプラチナは出走しなかった。