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健大高崎vs.遊学館が熊野で実現!?
センバツまで4カ月、才能を発見。

posted2017/12/05 07:00

 
健大高崎vs.遊学館が熊野で実現!?センバツまで4カ月、才能を発見。<Number Web> photograph by Masahiko Abe

健大高崎の山下航汰は、「機動破壊」に深みを加える貴重な長距離砲だ。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Masahiko Abe

「くまのベースボールフェスタ」の試合会場の1つになった「木本(きのもと)高校」のグラウンドは、ネット裏のすぐ後ろの土手の上が紀勢本線の線路になっている。

 土手には柵も何もないから、ほんとに手の届くようなすぐそこを、列車が通過していく。

 見ていると、列車の中からこちらに顔を向けている乗客たちの姿が望見できる。電車はすぐにトンネルに入ってしまい、試合の様子を見れるのはほんの2、3秒のことだから、どこのチームが試合をしているのか、わかるはずもない。

 しかしまさか、失礼ながらこんな小さな町の山に囲まれた高校のグラウンドで「健大高崎高vs.遊学館高」などという、とんでもないカードが行われていようとは、誰も夢にも思っていないでしょ……。

 行き過ぎる列車を見送りながら、そんなことをフッと思い、お腹の中でペロッと舌を出してみる。それも熊野の「晩秋のセンバツ」なのかもしれない。

旧チームで4番だった山下航汰がリードオフマンに。

 さて、健大高崎高vs.遊学館高だ。

 どちらも甲子園の常連校だが、秋はこの“熊野”の常連校でもある。

 近年の群馬は、前橋育英高と健大高崎高の2強体制だが、この夏も前評判通り県予選の決勝で当たった。6-4で前橋育英高が甲子園を決めたものの、ほぼ互角の激戦だった。

 その健大高崎の旧チームから4番を務め、センバツでは甲子園のライトスタンドへ満塁弾を放った長距離砲・山下航汰(やましたこうた/2年・173cm85kg・右投左打)一塁手。そのスラッガーが、この熊野ではリードオフマンで起用されていたから驚いた。

 もっと驚いたのは、そのバッティング内容だ。

【次ページ】 高校通算40本塁打かつ、アベレージヒッター。

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