バレーボールPRESSBACK NUMBER
栗原恵「解雇して下さい」から1年。
大好きなバレーで今の100%を。
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byKiyoshi Sakamoto
posted2017/11/15 17:00
今もなお、その存在感はコート上の誰よりも強い。栗原恵は日本バレー界にとっての財産なのだ。
「自分の中ではこれがマックス、100%です」
「どうするんだろう。先は全然見えないし、これからどうなるのか、怖さもあります。でもこれから決めて行けるっていう楽しみもあるし、あまり悲観的にはとらえていなくて。ただ、やり残したことがあるからずっとやっているのかと言われるとそうではないかな。一通りの経験、いい時も悪い時も経験したし、つらい思いも確かにしたかもしれないけど、その分いい思いもしてきた。そう考えると、辞める時にも後悔は残らないのかなって」
ああでもない、こうでもないと目の前の課題に試行錯誤したり、相手チームの若手選手が打ったバックアタックをよけきれず顔面で受けてしまい「恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべる。それも今の自分で、それが今の自分。
「今は『何点ですか?』、『何割ですか?』ってよく聞かれるけど、わからないですよね。いつも、自分の中ではこれがマックス、100%ですから」
まだまだ、これから。
新しいシーズンは、始まったばかりだ。