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フェデラーに憧れ、ナダルに勝利。
18歳シャポバロフの才能に世界騒然。
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph byGetty Images
posted2017/11/05 08:00
シャポバロフの身長は183cmと、トップ選手の中では決して大きくない。しかしそのアグレッシブなスタイルで世界を魅了している。
対戦したナダルはやはり「スーパー」だった。
――3回戦でナダルと対峙したときも倒す自信があったのですか。
「さすがにその可能性はほとんどないと思っていたよ。なんといっても相手はナダル。ただ、ずっと憧れてきた彼と同じ土俵に立つこと自体も自信につながったし、2回戦ではデルポトロのようなトッププレーヤーと渡り合い、勝つこともできた。強い選手たちとの試合を積み重ねたことで、さらに自信をつけることができたんだ」
――そのナダル戦は、第1セットを落としたところから奪い返し、ファイナルセットはタイブレークをものにしての勝利でしたね。
「実はあの大会では、初戦で4回マッチポイントをセーブして勝ったんだ。それで勢いに乗って、落ち着いてプレーができていた。ナダル戦では第2セットで早くブレークできて、大きな手応えもつかんだ。なんというか、ナダルだって絶対じゃないんだって。僕には失うものはないし、思い切って攻撃することができた。間違いなく、僕のベストゲームだよ」
――実際に対戦したことで、彼らトップ選手に対するイメージは変わりましたか。
「まったく変わっていない。ナダルはやっぱりスーパーな選手。僕はまだ1試合しただけで、あのレベルに到達するにはまだまだ力をつけなくちゃいけない。ただ、勝つチャンスは誰にでもあるのがテニスでしょう? 彼が19歳でグランドスラムを勝ち取り、レジェンドになったようにね」
――ロジャーズ・カップと全米で大活躍して、環境にも変化があったのでは?
「そうだね。トロントでは多くの人が僕の写真を撮るようになった。でも、それにも慣れてきたよ。小さい子どもが興奮して写真を撮りに来てくれたのは嬉しかったし、モチベーションにもなる」
――世界を転戦するツアー生活は?
「大きく変わったのは、より多くの遠征があり、より多くのトーナメントがあり、より大きな舞台でプレーできること。初めてのシーズンだからタフだけど、それにもだんだんと慣れつつある。知らない街を見るのは好きだしね。もちろん、テニスが好きじゃなきゃやっていられない生活ではあるけど、それを選んだのも自分自身だから」