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一方的な展開は「1番の差」なのか。
明暗分かれたSB柳田とDeNA桑原。

posted2017/11/01 12:10

 
一方的な展開は「1番の差」なのか。明暗分かれたSB柳田とDeNA桑原。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

シーズンOPS1.016の柳田を切り込み隊長で使える。ホークスの陣容の分厚さを象徴する起用法だ。

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Hideki Sugiyama

 敵に塩を送ってしまった!?

「今日は大魔神さんのマウンドでしょう! テレビで観ていた人ですから。メチャ感動して、テンション上がった!!」

 試合後の横浜スタジアムの駐車場。ギータの上機嫌な声が響く。ソフトバンク3連勝の立役者は、間違いなくこの柳田悠岐外野手だが、その活躍に一役買ったのが、第3戦の始球式に登場したDeNA(横浜)OBの佐々木主浩さんなのだという。子供時代のヒーロー登場にノリノリで向かった第1打席で柳田がまた打った。

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 第1戦の第1打席は詰まりながらも中前に。第2戦の第1打席でもこれまた詰まらされたが、強引に引っ張って一・二塁間を破った。いずれもその先頭打者安打が先制点につながりチームの白星を呼び込んでいる。

 そして第3戦も、だ。

3試合連続先頭打者ヒットは'90年西武の辻以来。

 DeNA先発、ジョー・ウィーランド投手の2ストライクからの3球目、148キロのストレートをはじき返した。

「(打球が)加速しましたね。下(人工芝)が硬いからバーって打球が伸びていきましたよ」

 二塁を守る柴田竜拓内野手が打球の速さについていけない。半身で差し出したグラブの脇をすり抜けるように、打球が右前に抜けていった。1、2戦ではこの貴重な走者を2番の今宮健太内野手がすかさず送る手堅い作戦だった工藤公康監督。

 しかしこの試合では今宮の初球にいきなり柳田が二盗。そこから改めて今宮に送らせ、4番・内川聖一外野手のタイムリー二塁打で今シリーズお約束の1点がソフトバンクの1回に刻まれた。

 3試合連続の先頭打者安打は1990年の西武対巨人戦で西武・辻発彦内野手が記録して以来の、日本シリーズタイ記録。このときもいずれも辻が先制のホームを踏んで西武が3連勝。そのまま巨人をスイープして日本一へと上り詰めた。

【次ページ】 怪我が再発した場合の危機管理が功を奏した。

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