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「ボウリングに恩返しがしたい」──。
桑田佳祐がNumberの編集長になった理由。
text by
瀬尾泰信(Number編集部)Yasunobu Seo
photograph byTadashi Shirasawa
posted2017/10/31 12:00
レーンは海、そしてボールはサーフボード。
「いまはね、週に1、2回。1回に8ゲームから10ゲームぐらいはやります。自分でスケジュールの中に、早めに入れちゃうんです。いろいろなボウリング場を渡り歩くようにしてましてね。レーンのオイルコンディションもそれぞれに違うので、このレーンにはこのボールが合うのかな、なんてマイボールを変えてやってみたりね。スタッフとも、女房とも一緒に行きますし」
冒頭に記したペアマッチが終わり、矢島純一プロと感想戦をしながらボールを投げている時のふたりは、「ボウリングに興じる学校帰りの少年たち」そのものだった。
その後の矢島プロとのスペシャルトークでは、こんな名言も。
「レーンという名の“海”に、ボールという名の“サーフボード”で乗り出すんです。オイルコンディションは波と一緒で、一投一投ですぐに変わってしまう。いってみれば“潮目”がある。それを読んでいくのが楽しいんです」──。
「ボウリングに恩返しがしたいんです」
『波乗りジョニー』を生み出した桑田さんならではの表現だが、こういう話になるともう止まらない。他にも珠玉の名言が飛び出したが、ここではもう1つだけ、印象に残った言葉を紹介しておこう。
「ボウリングに恩返しがしたいんです」──。
こんなに自分が夢中になれるものに再び出会えたことへの感謝。
レジャーとしてではなく、スポーツとしてボウリングを楽しみ、上達していくことの喜び。
そして矢島プロをはじめ、プロボウラーの方々の“カッコよさ”にもっと光が当たってほしい、という願い──。
それら全ての思いが、「恩返し」という言葉に詰まっている。