マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
安田尚憲こそこのドラフトの盲点だ。
清宮よりも基本に忠実なことが宝。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2017/10/24 11:30
「清宮世代」と括られるが、安田尚憲はそれを覆すだけのポテンシャルを秘めている。本当の勝負は、ここからだ。
安田尚憲こそ、このドラフトの盲点である。
ドラフトは、夏のあたりはまだみんな夢を語るから、誰もが清宮、清宮だった。しかし当日になると、“現実”を語るようになる。それが「ドラフト」というものだ。
苦労して清宮を獲ってはみたものの、先でバッティングを崩した時に、「バッティングコーチ、だいじょうぶですか?」と上から問われて、「あいつのことならまかせてください!」と即答で胸を叩ける現場が果たしているのか?
そう考えると、技量は遜色なく、しかも技術がスタンダードの上に乗っかっている安田のほうが付き合いやすいのではないか。土壇場の会議でそんな“結論”に達してしまうチームもあるのではないか。
ドラフト4日前、まだ彼の名が特定のチームの候補として大きな活字になることはない。
安田尚憲という間違いのない大器が、実はこのドラフトの盲点になっている。