プロ野球PRESSBACK NUMBER
「言われた時は嫌でしたけど……」
西武の主将・浅村栄斗、変身の1年。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2017/10/23 07:00
2013年以来の出場となったクライマックスシリーズ。4年前とは違う立場でチームをけん引した。
「キャプテンとしては全然、だめでした」
「キャプテンとしては全然、だめでした。大した仕事もできなかったし、もっと周りを見れたんやないか、声をかけられたんやないかと、悔いが残ります。先輩もいて、後輩も入ってきて、そういうチームをまとめるのは難しいけれど、来シーズンはもっと期待に応えたいですね」
浅村は反省の言葉ばかりを並べる。しかし、シーズン終盤、どれほど体調が悪くても試合に出続けた浅村の姿は、しっかりとチームメイトの目に焼き付いている。
岡田は続けた。
「痛いところがあっても、黙って試合に出ていた。そういう『何があっても試合に出るんだ』という姿勢から、勝負に対する強い思いが伝わってきました。個人成績は昨年に及ばなかったかもしれないけれど、今年のライオンズの2位という成績は間違いなくアサの功績ですよ」
不器用ながらもキャプテンとして、大きな一歩を踏み出した1年だったといえるだろう。
このオフはもう一回、自分のバッティングを作り直す。
来シーズンの目標を聞くと、浅村はきっぱりとこう言った。
「イチからもう一回、バッティングを見つめ直したいです。結局、チームにとっていちばん大事なシーズン終盤、3割を打てなかったし、チームの勝利にも貢献できなかった。1年間、波がなくコンスタントに活躍する選手になりたいと改めて思いました。このオフはもう一回、自分のバッティングを作り直します」
キャプテンとして、そしてプレーヤーとして、さらに成熟した姿を見せてくれるに違いない。