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2年間は「ちょっと短かったかな」。
掛布二軍監督が滲ませた意地と核心。
text by
渡辺勘郎Kanrou Watanabe
photograph byKyodo News
posted2017/10/07 09:00
「31」の最終戦を観るため、開門前の甲子園球場には約1400人のファンが列を作り、その中には徹夜組もいた。
二軍監督生活を採点すると「31点ということで」。
報道陣に対しては、こんな言い方もした。
「……60歳で(二軍監督の職を)受けて、孫の世代の選手と我々と、違いますからね。選手に『変われ』と言うより、僕らが変われる部分は変わって距離感を詰めてあげるのが大切かなと感じてました」
この辺りの表現に掛布氏の“意地”を感じた。
巷間、今回の退任は金本知憲監督との考え方の違いから、と伝わっていて、その真偽は定かではないが、掛布氏が口にした言葉を耳にしていると、今どきの若い選手を鍛える立場の指導者として、間違ってはいないだろうに……としか思えない。
最後に報道陣から「2年間の二軍監督生活に点数を付けるとすると?」と問われ、間髪入れずに「31点ということで」と笑って答えて場を和ませた掛布氏。改めて、見出しになる、ファンを楽しませることができる存在なのだ、と思わずにはいられなかった。
今後も阪神球団に籍を置くそうで、ユニホームを着ることが、ない、とはいえないのでは……と思えて仕方がないのだ。