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フィギュア界のシンデレラ三原舞依。
難病を乗り越え、幸せを伝えたい。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNanae Suzuki
posted2017/08/15 07:30
昨シーズンは充実の一途だった三原。平昌五輪が控える新シーズンに向けて、強い決意を持って臨もうとしている。
病気があったからこそ、去年の自分より強くなった。
氷上で見せる姿からは一切感じられないが、今も通院と治療は欠かせない。
「月に1回、点滴と注射をして、状態をチェックするために採血もしています」
体調面には常に気を遣っている。寒い時期はなおさら気を配らなければならない。
「関節がこわばったりして、全然動かなくなったりします。冬場、特に朝練習のときは早めに起きて長めにアップしたり、服装に気をつけたりと、いろいろ工夫していました」
ときには「病気になったのは何でなのかな」と思うこともあるという。
「でも、病気があったからこそ、去年の自分より強くなった自分がいると思います。
『病気だからできない』という言い訳はしたくないと、1年間練習してきました。これからは『ほんとうに病気してたの?』と思われるくらいの強い選手になりたいです」
「滑ることができる幸せ」という自身のたしかな根拠を手に入れた三原。来シーズンを見据える表情は、最後まで笑顔だった。
(Number927号『三原舞依「幸せな気持ちを伝えたい」』より)