松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹の「あと少し」は何なのか。
USGAの警告、4日間、6打差――。
posted2017/06/20 11:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
ゴルフはギャップを埋めていくゲームだと言われる。
何のギャップか? ゴルフという複雑きわまりないゲームの中のいろいろな場面で出くわすことになる、大なり小なりのいろんな差。
たとえば、全米オープン最終日を首位と6打差で迎えた松山英樹は、その6打という差を埋めることを目指し、サンデーアフタヌーンの1番ティに立った。
今年の大会の舞台エリンヒルズでは、日々、選手たちがスコアを伸ばしていた。とはいえ、プレッシャーがかかる最終日の6打差は大きい。果たして松山は6打のギャップを埋めることができるのか。
「だいぶ開いてしまったけど、ビッグスコアが出せれば、まだまだ諦める位置ではない。そのためのプレーができなかったら下位で終わるだけのこと。(そのための)スコアが出せるよう頑張りたい」
ネバーギブアップで挑む。目指すは優勝。ダメなら下位。一か八か――。
大胆なルートと、「フツウ」のルーティーン。
大胆な心意気を静かな口調で示した松山は、いざ始まった最終ラウンドを、アグレッシブに、しかし丁寧にプレーしていた。
積極的にドライバーを握り、大胆なルートを取る。だが、ルーティーンもリズムもスイングも、いつも通りの「フツウに」を心掛け、1打1打のすべてに丁寧に詳細に気を配る。
それでもなお狙いと現実には小さなギャップが生じるもので、序盤の5ホールで3バーディーを奪った後の6番(パー3)では、「最善の番手」と確信して選んだ8番アイアンのティショットが、落下地点のほんのわずかな差でボールがグリーン手前へ転がり戻ってしまい、ボギーを喫した。
「しっかり当たっていたので行くだろうと思っていた。もう1つ大きな番手で打てば良かったのかな」