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キャブスが全力を出しても勝てず、
ウォリアーズが歴史的記録で優勝王手!
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byRonald Martinez/getty images
posted2017/06/09 11:50
カリーとレブロンのマッチアップも見どころとなっているファイナル。第3試合を終えてウォリアーズが3-0で王手をかけた。
1試合目、2試合目から学んだ3試合目だったはずが……。
第3試合における一番の功績は、今まで述べた全ての要素をこなし、1、2戦を大差で負けた要因となっていた3Qを制したことにある。
ハーフタイム明けに一気に相手を引き離して試合を決めてしまうウォリアーズの勝ちパターンを崩し、逆に初めて自分達が3Qをものにした。
これで一気に5点差がつき、終盤の主導権は9割方キャバリアーズにあった。
これだけ全ての面で力を発揮したにもかかわらず……彼らはしかし勝者にはなれなかった。
この試合を経て、さらに修正箇所は見えてくるだろう。だがそれは重箱の隅の隅を虫眼鏡でもって粗探しをするようなこと。彼らのゲームプランは間違っていなかったし、遂行力も申し分なかった。
相手が今年のこのウォリアーズでなければ、気持ちの良い勝利が待っていたはずなのである。
20代のスター選手が4人もいるウォリアーズ。
過去にはない20代のオールスターが4人存在するウォリアーズ。
1人目はステフィン・カリー。史上初の満場一致でリーグMVPに選ばれた歴代最高のシューター。
2人目はリーグMVPに加え4度の得点王に輝くKD。
残る2人は天性のシューターでありながら相手のエースを封じ込めるディフェンダーのクレイ・トンプソンと、チームの精神的要でゲームメークが出来て、現存する全てのNBA選手を守れるとまで言われているディフェンスのスペシャリスト、ドレイモンド・グリーン。さらにシックスマンには'15年にファイナルMVPに輝いたアンドレ・イグダーラがいる。
キャバリアーズはホームで行われたこの3戦目で、全力で戦い、攻め続けた。
先ほども述べたが、終盤は間違いなく試合の主導権を握っていた。
でもそれは、そう見えただけで、現実にはウォリアーズによって巧みに走らされていたのかもしれない――全力でダッシュするキャバリアーズの真後ろに、ウォリアーズはジョギングしながらぴったり付いているようでもあった。