卓球PRESSBACK NUMBER
徹底マークの平野、不調脱した伊藤。
世界卓球の「みうみま」を徹底検証。
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph byItaru Chiba
posted2017/06/07 17:00
アジア大会で世界ランク1位を破って衝撃を与えた平野美宇は、今大会でも本気の中国勢を相手にその実力が本物であることを証明した。
伊藤らしい「“汚い”プレー」も戻ってきた。
また、ラケットの片面に表ソフトラバー、もう片面に裏ソフトラバーを貼る「バック表ソフトの異質攻撃型」と呼ばれる世界的に少ない戦型で、打球に変化をつけ相手を翻弄するプレーが得意。それを伊藤は「相手がやりづらい“汚い”プレー」と独特な言葉で表現する。
そんな伊藤の世界選手権は、シングルス4回戦で今大会準優勝の朱雨玲と対戦し、ゲームカウント4-2で敗れたものの、そこに至るまでの試合は伊藤らしいプレーがだいぶ戻ってきたように見えた。
特に大接戦を制した1回戦は本来の持ち味に加え、強打一辺倒ではなく、つなぐボールも取り込んだ一段階上のプレーも見せてくれた。「あの試合は自分を成長させてくれた」と本人。
さらにダブルスでは、やはり同い年の早田ひな(希望が丘高校)と結成わずか4カ月のペアで銅メダルを手にしており、自信につながった様子。伊藤にとって3回目の世界選手権は、リオ五輪以降続く低迷から抜け出すきっかけとなったようだ。