猛牛のささやきBACK NUMBER
オリックス好スタートの流れに乗れ。
山岡、黒木、澤田の新人投手トリオ。
posted2017/04/13 08:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kyodo News
「緊張はしません」
今年、開幕から一軍で戦力として期待されるオリックスのルーキー投手3人は、こう口を揃えた。
立正大からドラフト2位で入団した黒木優太と、立教大からドラフト8位で入団した澤田圭佑は、ともにオープン戦の登板を無失点で終え、開幕一軍入りを果たした。
開幕時に一軍登録された2人に加え、東京ガスからドラフト1位で入団した山岡泰輔も先発ローテーション入りが決まっているため、3人と言っていいだろう。
3人に共通するのは、いい意味でのふてぶてしさだ。プロという異世界だろうと関係ない。マウンドはオレの場所。そう言わんばかりに、オープン戦では堂々と自分の投球を披露した。
星野伸之投手コーチは、「それができるから(開幕一軍に)残っている。期待させるものはあるよね」と頼もしそうに見つめた。
目指してきたプロのマウンドに立てば、最初は緊張しそうなものだが、その感覚はないと3人は言う。
「楽しい」「勝ちたい」という気持ちしかない。
緊張しない理由は三者三様だ。
21歳の山岡は身長こそ172cmと上背はないが、マウンドではプロの打者を見下ろしている雰囲気すら漂わせる。そして「野球で緊張したことはほとんどないです」と言い切る。
瀬戸内高3年時には、夏の広島県大会決勝で広島新庄高のエース田口麗斗(現巨人)と投げ合い、引き分け再試合を制して甲子園出場を決めたが、そんな大一番でも緊張とは無縁だったと言う。山岡は自分自身をこう分析する。
「僕は『ここに行きたい』とか『こうなりたい』というのがあまりないからじゃないですかね。目標というのができないんです。ただ“楽しい”とか“勝ちたい”しかないんです」