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首位を走る神戸の勝因は、守備!
レアンドロ復帰までに攻撃は整うか。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/04/11 07:00
大量補強は難しいものだが、昨年の藤田直之らに続き今年加入した選手もフィットしている。
連敗しない、というのは優勝にとって極めて重要。
もうひとつの不安は、神戸はこれまで清水、新潟、仙台、磐田、大宮に勝利し、浦和に敗れた。とりこぼしがないのは力がついてきている証拠だが、浦和以外に強豪との対戦がなく、現在の自分たちの本当の力を見極めることができていない。
しかし、岩波は「不安はない」という。
「レッズに3失点してしまいましたが、完璧に崩されたという印象はないです。でも、こういう相手に勝っていかないと上位にはいけないし、そのためにとりこぼしをしないように勝ち点を積み上げて、もっと自信をつけて強い相手との対戦を迎えたいですね」
浦和には3失点して敗れたが、内容的に完敗という感じではなかった。大事なことは、そこから気持ちを切り替えてどう修正していけるか、だ。大宮戦ではシステムを変更するなど手を打ち、しっかりと勝った。
連敗しないことが優勝するには重要な要素だが、神戸には「守備」という拠り所があるので大きく崩れることはなさそうだ。
「首位といってもまだ6試合ですから」
5月中旬からは鹿島、FC東京、セレッソと上位チームとの対戦がつづく。ここがひとつのヤマになるが、ここで勝ち越していければ大きな自信になるだろうし、首位での折り返しも見えてくる。
「首位といってもまだ6試合目で、もちろん下位にいるよりはいいですけど、シーズンが終わって最後に首位にいることが大事。今は首位だからといって慢心することなく、1試合1試合を勝ちつづけていくこと。それが最終的に首位につながっていく。そういう気持ちでやっていきたいと思います」
藤田は落ち着いた表情で、そう言った。
不安な要素はあるものの、冷静な選手たちの堅実な戦い方を見ていると今後への期待が高まる。しかもチームはまだ完成形ではない。今後、相手に研究されるだろうが、悲願のタイトル奪取に向けて神戸は堅実な戦い方でこれからも勝ち点を積み重ねていくだろう。