野球のぼせもんBACK NUMBER
勢いで、一本槍で、粋で、練習家で。
川崎宗則がついに福岡へ帰ってきた!
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2017/04/04 07:00
ヤフオクドームでファンにサインをするムネリン。彼が再び日本球界で見られるだけで幸せだ。
4月1日の会見での、粋な一言。
翌日にはアメリカを発ち、プロ野球開幕日に日本に到着。その夜にはホークス球団から川崎の復帰入団の発表があった。
4月1日に会見。あまりの急展開だったが、壮大なエイプリルフールではなく本当の話。ユニフォームが間に合わないという異例の入団発表だった。
その会見の中では、なかなか粋なことを言っていた。
「福岡が大好きで、そして福岡に帰ってくるたびに、たくさんのGMがいました。タクシーの運転手さん、行く店の大将、エレベーターで会う子供連れの家族。毎日たくさんのGMから『いつ帰ってくるの?』と声をかけられました。それはいつでも頭にありました。'11年のオフにアメリカに挑戦して、あの時は帰ってくるつもりはなかった。まさかこんな風になるなんて考えてもいなかった。(復帰は)僕の思い、福岡のたくさんの人たちの思いがあったから。こんな僕に声をかけてくれた、たくさんのGMに感謝したい」
勢い一本槍のような突飛な言動で周りを驚かせ、そして明るくする。その川崎のキャラクターは日本人だけでなく国境を越えて愛されたわけだが、じつはサラリとこのような発言もできる男だ。だから人気者なわけである。
そのキャラクター性をホークス、そして日本球界に還元してほしいという声は多い。会見では同席した工藤監督も明言していたし、キャプテンの内川聖一も「頼れる先輩が戻ってきてくれた」と大歓迎する。
「僕とプレーして野球が上手くなってほしい」
川崎にも考えがある。
「僕とプレーをして野球が下手になってほしくない。上手くなってほしいし、野球をもっと楽しいと思ってもらいたい」
しかし、川崎が言うところの『楽しい』は、ただ笑って野球をするという意味ではない。
「プロ野球は厳しい世界。下手になればクビになる」
アメリカではマイナーリーグでプレーする期間も長かった。
「よく『ハンバーガー・リーグ』なんて言うじゃない? それを聞くとハンバーガーしか食べられないと思うだろうけど、とんでもない! ハンバーガーあれば最高。『うわ! ハンバーガーだ』ってところだったからね」