金トレ!実践編BACK NUMBER
第4回 フルマラソンを攻略する
text by
川上康介Kosuke Kawakami
photograph bySports Graphic Number
posted2011/01/30 08:00
毎回、ランニング初心者向けに開催してきた「金トレ!」実践編。今回は、そのスペシャル編ということで、「第5回湘南国際マラソン」(1月23日開催)の参加者をtwitterで募集。11名のランナーを集めて、金哲彦さんによる“本番4日前、直前講習”を開催した。
参加者のレベルはいろいろ。サブ3(3時間以内)狙いのランナーから、フルマラソンが初めてというランナー、10キロレースの参加者まで、年齢も男女比もバラバラだ。
さすがに金さんの話は分かりやすく、「目からウロコ」の参考になるポイントがたっぷり。レッスン内容は「湘南国際」だけに絞った話ではないから、これからフルマラソンを目指す人は必読。“金チルドレン”として、走り出そう!
レースでは「タイムの貯金は、カラダの借金」。
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「フルマラソンを完走しようと思ったときに、サブ4(4時間以内)以上を目指すかどうかで、トレーニングの質が変わってきます。4時間を切らなくてもいいのなら、1キロ6分で走るジョギングをひたすら長く続けるトレーニングを重ねること。このペースでハーフマラソンを走れるようになれば、フルの完走は可能です。
レースでは、つい周りに引っ張られてオーバーペースになりがちですが、それを抑えて、なるべく平均的に走るのがポイントです。私はよく言うのですが『タイムの貯金は、カラダの借金』です。フルマラソンの場合、前半で早く走ってタイムが良かったとしても、20キロくらいで限界が来て、残り10キロを歩かなければならないと、結局タイムが落ちる。このクラスのランナーなら、レース中歩くのは問題ないのですが、できる限りそれを短くしたいですね」
初マラソンの人なら、無理をせずにまずは完走を目指す。ゴールタイムは「ハーフのタイム×2+30~60分」を目安にすればいいとのこと。つまりハーフが2時間ちょうどなら、4時間半~5時間が目標となるわけだ。
「完走することができれば、それ自体がトレーニングとなって、また次を目指すことができるようになります」
金さんがオススメする“ビルドアップ”トレーニングとは?
問題はここから先、サブ4以上を目指す場合だ。
「ここから先を目指すとなると、ジョギング以上のスピードを身につけるトレーニングが必要になります。サブ4なら1キロ5分30~40秒、サブ3なら1キロ4分10~15秒のペースで走るトレーニングを積み重ねないと難しいですね」
しかし一口にスピードをあげるトレーニングと言っても、一般ランナーの場合はなかなか思うようにいかない。そこで金さんがオススメしてくれたのが“ビルドアップ”トレーニング。
「最初の1キロは7分くらいのペースで、そこから1キロごとに徐々にスピードをあげていって、最後の1キロで目標ペースを上回るようにする。これを続けることで、心肺機能が高まって、スピードを上げられるようになります。でも頑張り過ぎは禁物。自分のペースをしっかり把握して"ちょっと頑張る"を重ねていくようにしてください」