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原口が左を守り、久保が右で決める。
そして、全ての中心に今野がいた。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/03/24 11:40

原口が左を守り、久保が右で決める。そして、全ての中心に今野がいた。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

本田圭佑の指定席だった右サイドに定着しつつある久保裕也。ベルギーリーグでも絶好調で、ステップアップが噂されている。

神出鬼没の今野こそがマンオブザマッチだった。

 長友が攻撃参加を自重しても、前線のプレーヤーが孤立した印象はない。大迫のキープ力が周囲を助けたからであり、今野が効果的に攻撃へ絡んでいったからだ。

 とりわけ後半の今野は、縦横無尽かつ神出鬼没にボールに絡んだ。インサイドハーフのポジションを取る香川真司からパスを受け、大迫へつなぐといったボールの流れを生み出してもいた。

 きわめつけは52分の追加点だ。「(原口)元気がニアサイドへ相手を引っ張ってくれて、久保のクロスがスピード、コースとも絶妙だった」と今野は話したが、前半からフルスロットルで走り続けながらデュエルの勝率を稼ぎ、ペナルティエリア内へ飛び込んでゴールまで決めてしまったのだから、この34歳のバイタリティには驚かされる。彼こそはUAE撃破のマンオブザマッチである。

世代に寄りかからない勝利だった。

 これまで歴史的に苦しめられてきた中東のアウェイゲームで、長谷部、本田、香川、岡崎慎司、清武弘嗣らに頼ることなく勝利をつかんだ。国際Aマッチ出場3試合目の久保が、川島や今野とともに勝利の立役者となった。特定の世代に寄りかかることなく、異なる世代が横断的に活躍した。戦術的な柔軟性も示した。ハリルホジッチ監督のチームは、新たなフェーズへ踏み出したと言っていいだろう。

 ただ、予選はまだ4試合残っている。サウジアラビアとは勝点13で並んでいるが、得失点差では依然として劣る。オーストラリアとは勝点3差、UAEとは4差となったが、予断を許さない状況に変わりはない。

 日本の選手たちがはるか遠くから駆けつけたサポーターの歓声にこたえているすぐそばで、UAEは5日後のゲームへ向けた準備をスタートさせていた。この日出場のなかった選手たちが、試合後のピッチでトレーニングをしていたのだ。

 内容的にも批判や注文を寄せつけない勝利を、ターニングポイントとすることができるのか。他でもないハリルホジッチ監督と選手たち次第で、この日の勝利は姿を変えていく。

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