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欧州サッカーにも“甲子園”がある。
久保建英のライバルは名選手の息子?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/03/25 11:00
1994年のデルピエロは20歳。すでにユベントスでロベルト・バッジョから出場機会を奪いつつあった。
早速、U-19欧州選手権で準優勝して育成は順調?
もちろん取り組みの成果は長い目で見る必要があるものの、昨年、U-19代表が欧州選手権で準優勝したことは、伝統国復権に向けた朗報にちがいなかった。
今年に入って世代をひとつ上げた彼らは、5月に韓国で開催されるU-20W杯へ出場する。
今月15日の組合せ抽選会で、イタリアは日本代表と同じグループDに入った。南米王者ウルグアイと南アフリカも同組だ。
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イタリアは大会直後にポーランドで開催されるU-21欧州選手権も控えているため、重複する招集選手の調整を図らねばならないが、U-20代表監督エバーニは昨年欧州制覇まであと一歩に迫ったメンバーを中心に選ぶと見られている。
久保建英のライバルはエンリコ・キエーザの息子?
先月18歳になったばかりのミランの守護神ドンナルンマは、アズーリの正GKブッフォンの控えとしてすでにフル代表の戦力として定着しているため、招集される可能性は極めて低い。
代わりに本大会でゴールマウスを守るのは、おそらく育成工場ウディネーゼの秘蔵っ子GKメレトだ。レンタル修行先の2部スパルで昇格レースを引っ張る活躍が認められ、今月のフル代表連戦に第3GKとして大抜擢された。
U-20イタリア代表には、他にも左サイドバックのDFディマルコ(エンポリ)など、セリエAやELですでにデビューを果たした強者も数多い。
現在の所属先がプロビンチャーレや2部クラブなどであっても、実はユーベやインテルといったビッグクラブががっちり保有権を抑えている逸材たちを侮るのは危険だろう。
今季セリエA開幕スタメンデビューを果たし、瞬く間にフィレンツェの新たなアイドルとなったFWフェデリコ・キエーザ(フィオレンティーナ)にも出場資格がある。
父エンリコはパルマなどで活躍し、'98年フランスW杯にも出場した名ストライカー。“キエーザ2世”と日本のFW久保建英による日伊次世代ストライカー対決は是非とも見てみたい。