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全治2カ月のケガがわずか8日で回復!?
驚異の肉体を誇るイチローの秘密兵器。 

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byNaoya Sanuki

posted2017/03/15 11:00

全治2カ月のケガがわずか8日で回復!?驚異の肉体を誇るイチローの秘密兵器。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

「ヤンキースにいた頃('12年から'14年)よりは絶対に速いのでね」と自らの走りの進化を語っているイチロー。

塁間速度の向上も特殊マシンによる鍛錬のたまもの。

 小山代表が解説してくれたことをわかりやすく説明すると以下のようになる。

「B.M.L.Tカムマシンでトレーニングをし続けることで、血液の高酸素状態を作り出すことになる。一般的に高酸素を作り出すと活性酸素も生まれるが、この場合はそれがない。全身が高酸素状態に保たれることでアンチエイジングに繋がり、それが打撲や筋挫傷を最小限のものとし、回復を早めることにもなる」

 '15年シーズンでは「3.98秒」でメジャー5位だった本塁から一塁まで速度を昨季は「3.7秒」に短縮させた驚異的事実や、今回の「2カ月」を「8日」に縮めた異例も、初動負荷理論の特殊マシンでのトレーニングなしにはあり得ない。この事実はイチロー自身が認めている。

例年以上の充実したトレーニングはケガの功名?

 別メニュー調整をした8日間、イチローは午前7時に球場入りし、帰路に就くのは測ったように午後3時となった。連日、8時間のうち電気治療は3時間、残りの5時間の大半は専用ジムでのトレーニングだった。そして、全体練習復帰後にイチローはこの言葉を残した。

「トレーニングの量は過去にない量ができましたからね。この(ケガの)おかげで。まぁ、これも良かったなと言えるように、ちゃんと僕がしなくてはいけない。今まで通りの考え方ですよ」

 最新のトレーニングで不死身の体を作りだし、不測の事態で起こったケガも前向きに捉え直し、更なる野球技術の向上へと繋げようとする果てしない向上心。今年も年齢の概念を覆すシーズンが始まろうとしている。

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