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真壁刀義、新日本を救った男の20年。
スイーツの土台は10年間の「地獄」。 

text by

堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2017/03/03 17:00

真壁刀義、新日本を救った男の20年。スイーツの土台は10年間の「地獄」。<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

リングに上がれば金髪にチェーンで雄々しい姿、スイーツを前にすると子供のような愛くるしさ。真壁の魅力はそのギャップにある。

「罵詈雑言を浴びせられて、ゾクゾクしたよ」

「でも俺はそこで、『だったらテメエらのやれないデスマッチで、のし上がってやろう』と思ったんだよ。インディペンデントの選手にもファンにも、新日本のファンにもレスラーどもにも、俺の生き様を見せつけてやろうってね。それで、やつらのデスマッチに飛び込んで、有刺鉄線で血まみれにされてよ、そっからは戦争だったよね。血まみれの抗争になって、俺が出てきただけでブーイングだよ。ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせられてね。でも、その時俺は『来たね、来たね!』って、ゾクゾクしたよ」

 ヒールにとってブーイングと罵声は何よりの歓声だ。真壁の暴れっぷりは話題を呼び、新日本とインディー団体の両方で、怒涛のブレイクをはたしていく。

 そして勢いに乗った真壁は2009年、『G1クライマックス』でついに優勝を果たす。入門以来、踏まれても踏まれても逃げることなく、その度に立ち上がってきた雑草・真壁が、ついに新日本の頂点に立ったのだ。そして翌2010年には、IWGPヘビー級のベルトを腰に巻くことにも成功。そこから棚橋、中邑とともに、“新日本プロレス人気V字回復”に大きく貢献していったのだ。

「『橋本だ!』『武藤だ!』『長州だ!』ってね」

 現在、新日本プロレスは、全国どこの会場でも多くの観客が詰めかけ、業界で“一人勝ち”と言われて久しい。しかし真壁は、自分にとっても新日本にとっても「まだまだ通過点」だと言う。真壁の頭の中には、自分の新人時代の新日本の姿があるのだ。

「俺が入った頃の新日本プロレスの先輩方は、ホントにオフもないくらい忙しくしてたんだよ。街を歩けば、『橋本だ!』『武藤だ!』『長州だ!』って騒がれてね。今はまだ、そこまではいってない。だからこそ、新日本プロレスのカテゴリーをどんどん上げてやるよ。新日本プロレスを見逃すなよ!」

 新人時代、誰からも必要とされてなかった男は、20年後、新日本プロレスがさらに大きくなるために、欠かせない男となったのだ。

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