オフサイド・トリップBACK NUMBER
リトバルスキーが語る代表と欧州信仰。
「クラブの格より出場機会が絶対大切」
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/03/04 07:00
代表の2列目争いには世代交代の風が吹き荒れている。香川真司には、長期的な視野を持ってその中心に返り咲いてほしい。
「香川にとって一番いいのは、代表を忘れること」
――いずれにしても、欧州組は1つの岐路に差し掛かっています。特に香川に関して言えば、真に有益なキャリアメイクと、代表へのこだわりをいかに両立させるかという問題にも直面しています。
「おそらく香川にとって一番いいのは、一時的に日本代表を忘れることではないだろうか。ドルトムントを離れれば、自分は代表に招集されなくなるかもしれない。こういう不安を払拭して、まずは出場機会を増やし、自分のパフォーマンスを上げることを長期的な視点から考えていく。その方が最終的には、代表を牽引するための近道になると思う。
香川が次に考えるべきは、30歳にむけてのキャリアメイクだ。復調するまで多少、時間がかかっても、本来のポテンシャルを発揮できるようになれば何の問題もない。どんなに優秀な若手が台頭してきても、香川はまったく動じずに済むような、絶対的なアドバンテージを確保しているはずだ。
香川真司という選手は、それだけのポテンシャルを秘めた逸材ではないのか。私はそう確信している。日本のファンも彼のことを信じるべきだし、香川自身も本当の意味で、もっと自分に自信を持たなければならない。
日本の選手たちは、目先のことに捉われるのではなく、サッカー選手にとって真に重要なのはなにかということを、もう一度じっくり考えてみるべき段階に来ていると思う。それは自分の原点、サッカーへの愛情を再確認する作業に他ならないし、長期的には、日本代表を真の意味で活性化させていく、最大の鍵になるのではないだろうか」