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カズは日本サッカーの何を変えた?
盟友が語るヴェルディ黄金時代。
posted2017/02/28 14:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Naoya Sanuki
2017年、Jリーグ開幕。
三浦知良にとって、50歳のバースデーマッチとなった2/26のJ2開幕戦・横浜FCvs.松本山雅。
1-0で横浜FCが勝利したこの試合。観戦にかけつけた川淵三郎キャプテンとカズさんが抱擁を交わした光景を見た瞬間、ふと、不思議な想いにとらわれた。
まるで時が24年前、まさにJリーグ開幕のころに巻き戻ったような──。
1993年5月15日、国立競技場。
前年に横浜フリューゲルス(当時)に入団した前園真聖は、超満員のスタンドで横浜マリノス(当時)とヴェルディ川崎(当時)の開幕戦を観戦していた、という。
「当時はまだトップチームに上がれず、あのときはスタンドにいました。すべてが華やかで、子どもの頃に見ていた日本リーグとは全然違う舞台がそこにありました。『この舞台で戦いたい!』という想いがより強くなりましたね。
特に当時のヴェルディというチームは“別格”だったんです!
そういうチームでプレーしたいな、対戦してみたいな、という想いは強くありました。当然カズさんの存在も含めて、憧れでしたね」
日本代表の主力が集まるヴェルディは別格の存在だった。
前園がヴェルディに入団するのはそれから4年後の1997年のこと。
主将・ラモス瑠偉、ダイナモ・北澤豪、不動の9番・武田修宏、闘将・柱谷哲二、狂気の左サイドバック・都並敏史ら日本代表の主力がひしめき合うヴェルディは、同じJリーガーという立場であっても、はるかに見上げるような、眩しい存在だった。
リーグ戦の連覇、ナビスコ杯3連覇など、その強さは他のチームの追随を許さず、後に代表のエース格になる前園にとってもその輝きは格が違うものだったのだ。