濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
格闘技新時代を告げる「KNOCK OUT」。
無敗の18歳、那須川天心の強さに酔う。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2017/02/19 07:00
ダイナミックな戦いぶりも魅力の那須川。天才の名をほしいままにする、格闘技界の革命児である。
那須川を追い込める相手がいないのが悩み!?
小野寺は、那須川の次の相手は誰がいいのか「毎日考えている」そうだ。
「海外からの売り込みもたくさん来てますね。僕としては、那須川選手が大ピンチになるところが見てみたい。ピンチに陥った時に何をするのかなって」
マッチメイカーからすると、勝ち負けよりもまずピンチにさせることが大変なのだ。
見ているこちらはといえば、ただひたすら「すげー!」とか「つえー!」とか、そんなバカみたいに単純な言葉を発するだけだ。強いヤツはカッコいい。強くてカッコいいヤツを見るのは気持ちいい。シンプルで圧倒的な快楽に酔いしれるのみ。
K-1、RISE、KNOCK OUT、RIZIN……時代が動く。
それにしても、とてつもない時代になってきた。
少し冷静になってみて、そう思う。
「KNOCK OUT」は、2018年にさいたまスーパーアリーナでの開催が決定した新生K-1、それに「RIZIN」とともに日本格闘技の新メジャー時代を担っていくことになるだろう。
K-1には武尊がいる。
日本とタイを股にかけて活躍する梅野がいて、「RISE」でヒジなし、「KNOCK OUT」でヒジあり、「RIZIN」でMMAと“三刀流”を使いこなす那須川がいて、さらにRENAが女子格闘技というカテゴリーを押し上げる。
黄金時代到来、と言っては気が早いか。
だがその足音が聞こえ始めているファンは、決して少なくないはずだ。